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写意画・無根樹24章-第16章#317

写意画・無根樹24章-第16章#317– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

 無根樹の詩には、天地との調和、陰陽の循環、無限の可能性を秘めた「根源的な力」が表現されています。
 この絵は、中国の武当山に代々伝統的に伝わってきた、符図として観念を写意した写意画で、行気(ぎょうき=気の流れ)によって、観念化された意が画面に宿る技法にて描きます。
座る人物が符図を掲げ、気の流れとともに描かれた写意画。道(タオ)の世界を象徴する霊的な図像が、観る者の心に響き、天地との調和と精神的な静けさをもたらす。 道(タオ)の世界には、「符図(ふず)」と呼ばれる霊的・象徴的な図像があります。
 これは一種の呪符でありながらも、単なる宗教道具にとどまらず、写意的に描かれた霊的絵画で、観る者の精神面に直接働きかける精神感応的な美術としての力を持っています。
 そのため、古来より多くの人々が、不老長寿、健康、吉祥、家庭の調和などを願い、こうした道家的写意画や符図を自宅や書斎、寝室に飾ってきたのです。絵を見ることは、単に美を愛でるのではなく、生活に「道」の気配を招き入れ、心身を調律するための行いとされていました。
 このように写意画は、単なる絵画表現にとどまらず、人の精神・生活・宇宙との調和を媒介する芸術です。
 この写意画は、「目で見るもの」ではなく「心で感じるもの」です。
 それは道(タオ)と通じ、自然の気と共鳴し、観る者の内面を静かに動かす力を持ちます。
 符図や写意画は、古より今に至るまで、”人の魂に語りかける「霊なる絵」”として息づいているのです。
 下記にこの写意画の意となる「哲理詩」無根樹の原文と、現代日本語訳とその解釈を添えておきましたので、是非お読みください。
 ※無根樹の作者「張三丰(1247年〜?)」は、太極拳を確立した人物としても有名で、太極拳にもこの無根樹を適用しました。補足として、武当山に伝わってきた太極拳との関連解釈も記載しておきました。

無根樹・第16章

写意画・無根樹24章-第16章#317– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

原文

無根樹,花正濃,認取眞鉛正祖宗。炁精神,一鼎烹,女轉成男老變童。欲向西方擒白虎,先往東家伏青龍。類相同,好用功,外藥通時内藥通。

現代日本語

根なき木に咲いた花が濃密で、真の鉛を認識し、祖宗の正しさを知る。気と精神が一つに鍋で煮込まれ、女が男に変わり、老が童に戻る。西方で白虎を捕まえようとするなら、まず東に向かい青龍を伏せ。それぞれの類は同じく、内外の力を通じさせる。

解釈

•「眞鉛」=本質を見極め、内的な力を信じること。•「炁精神」=内的エネルギー(気)と精神が一体となること。•「女轉成男老變童」=修養によって肉体や精神の限界を超えること。•「青龍と白虎」=陰陽の力を制御し、バランスを取ること。

太極拳との関連解釈

•「青龍」と「白虎」は、太極拳における陰陽の調和を意味し、これを制御する力を養うことが重要。•精神と気を一つにし、肉体と精神を超越することが太極拳の究極の目標。•修養を通じて、内外のエネルギーを調和させ、極限のバランスを目指す。

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