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写意画・無根樹24章-第9章#312

写意画・無根樹24章-第9章#329– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

 無根樹の詩には、天地との調和、陰陽の循環、無限の可能性を秘めた「根源的な力」が表現されています。
 この絵は、中国の武当山に代々伝統的に伝わってきた、符図として観念を写意した写意画で、行気(ぎょうき=気の流れ)によって、観念化された意が画面に宿る技法にて描きます。
座る人物が符図を掲げ、気の流れとともに描かれた写意画。道(タオ)の世界を象徴する霊的な図像が、観る者の心に響き、天地との調和と精神的な静けさをもたらす。 道(タオ)の世界には、「符図(ふず)」と呼ばれる霊的・象徴的な図像があります。
 これは一種の呪符でありながらも、単なる宗教道具にとどまらず、写意的に描かれた霊的絵画で、観る者の精神面に直接働きかける精神感応的な美術としての力を持っています。
 そのため、古来より多くの人々が、不老長寿、健康、吉祥、家庭の調和などを願い、こうした道家的写意画や符図を自宅や書斎、寝室に飾ってきたのです。絵を見ることは、単に美を愛でるのではなく、生活に「道」の気配を招き入れ、心身を調律するための行いとされていました。
 このように写意画は、単なる絵画表現にとどまらず、人の精神・生活・宇宙との調和を媒介する芸術です。
 この写意画は、「目で見るもの」ではなく「心で感じるもの」です。
 それは道(タオ)と通じ、自然の気と共鳴し、観る者の内面を静かに動かす力を持ちます。
 符図や写意画は、古より今に至るまで、”人の魂に語りかける「霊なる絵」”として息づいているのです。
 下記にこの写意画の意となる「哲理詩」無根樹の原文と、現代日本語訳とその解釈を添えておきましたので、是非お読みください。
 ※無根樹の作者「張三丰(1247年〜?)」は、太極拳を確立した人物としても有名で、太極拳にもこの無根樹を適用しました。補足として、武当山に伝わってきた太極拳との関連解釈も記載しておきました。

この写意画のタオコード・風水・符の詳細

道家の哲理において、去るものの中に還りの種が静かに宿ります。
「無根樹」第24章第9首では、動と静が絡みあい、外側へと流れたものが再び集い、分かれたものがひとつへと還っていく。
この作品は、分離が再会となり、虚が充へと変わる変容の螺旋を詠んでいます。

構図は大きな弧を描き、墨が外へと流れてからゆるやかに還り、淡い金の線がその還りの軌跡をたどります。
空間は開きつつ閉じ、観る者を「離れ」と「還り」、「消解」と「出現」の律動へと誘います。

本作品は「還帰の気(Huan Qi)」を具現し、修復・統合・完結のエネルギーを放ちます。
玄関、プライベートリトリート、あるいは思索の隅にあるコーナーなど、根を据えつつ新たな流れを求める空間に最適です。
金の輝きは五行の「金」に通じ、明晰と精度をもたらし、流れる墨が滞りを取り除き、絶えず動く気を呼び込むのです。

この絵が、静かなる符(タリスマン)として、還りの気を視覚で結びつけ、
私たちに「分かれ」と「還り」が実はひとつの動きであることを示す存在でありますように。

無根樹・第9章

写意画・無根樹24章-第9章#329– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

原文

無根樹,花正開,偃月爐中摘下來。延年夀,減病災,好結良朋備法財。從兹可成天上寶,一任羣迷笑我獃。勸賢才,休賣乖,不遇明師莫强猜。

現代日本語

根なき木に咲いた花が、今まさに開いた。それを「偃月炉(えんげつろ)」で摘み取る。その力は、寿命を延ばし、病災を減らしてくれる。良き友と法財を結び、準備を整えるべし。これにより、天の宝を成すことができる。他人が私を笑おうと気にしない。賢い者よ、利口ぶって立ち回るのはやめなさい。明師に出会わずして、勝手に解釈してはならぬ。

解釈

•「偃月爐」=内丹道での身体(丹田)の象徴。•「法財」=修養に必要な人・物・知識。•「明師」=正しい導師なくして道は得られない。

太極拳との関連解釈

•修練の成果を「丹田」で摘み取る(発勁・気の収束)。•師匠の存在が極めて重要。独学では限界がある。•世間の評価に惑わされず、自分の道を貫く。

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