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写意画・無根樹24章-補篇第4章#338

写意画・無根樹24章-補篇第4章#415– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

 無根樹の詩には、天地との調和、陰陽の循環、無限の可能性を秘めた「根源的な力」が表現されています。
 この絵は、中国の武当山に代々伝統的に伝わってきた、符図として観念を写意した写意画で、行気(ぎょうき=気の流れ)によって、観念化された意が画面に宿る技法にて描きます。
座る人物が符図を掲げ、気の流れとともに描かれた写意画。道(タオ)の世界を象徴する霊的な図像が、観る者の心に響き、天地との調和と精神的な静けさをもたらす。 道(タオ)の世界には、「符図(ふず)」と呼ばれる霊的・象徴的な図像があります。
 これは一種の呪符でありながらも、単なる宗教道具にとどまらず、写意的に描かれた霊的絵画で、観る者の精神面に直接働きかける精神感応的な美術としての力を持っています。
 そのため、古来より多くの人々が、不老長寿、健康、吉祥、家庭の調和などを願い、こうした道家的写意画や符図を自宅や書斎、寝室に飾ってきたのです。絵を見ることは、単に美を愛でるのではなく、生活に「道」の気配を招き入れ、心身を調律するための行いとされていました。
 このように写意画は、単なる絵画表現にとどまらず、人の精神・生活・宇宙との調和を媒介する芸術です。
 この写意画は、「目で見るもの」ではなく「心で感じるもの」です。
 それは道(タオ)と通じ、自然の気と共鳴し、観る者の内面を静かに動かす力を持ちます。
 符図や写意画は、古より今に至るまで、”人の魂に語りかける「霊なる絵」”として息づいているのです。
 下記にこの写意画の意となる「哲理詩」無根樹の原文と、現代日本語訳とその解釈を添えておきましたので、是非お読みください。
 ※無根樹の作者「張三丰(1247年〜?)」は、太極拳を確立した人物としても有名で、太極拳にもこの無根樹を適用しました。補足として、武当山に伝わってきた太極拳との関連解釈も記載しておきました。

無根樹・補篇第4章

写意画・無根樹24章-補篇第4章#415– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

原文

無根樹,花正鮮,咬定根苗莫怠懶。勞心力,歷苦煎,七返九還見自然。鳳採丹花啼五色,龍銜寶珠弄九天。煉真仙,跨龍船,笑傲風塵不計年。

現代日本語

根なき木に咲いた花は新鮮で、根と苗をしっかり噛みしめて怠らぬこと。心力を尽くし、苦しみを経て、七返九還の末に自然(=道)の姿が見える。鳳凰は丹花を摘み、五色に鳴き、龍は宝珠をくわえ、九天を遊ぶ。真なる仙を錬成し、龍の舟に跨がり、風塵(俗世)を笑って年を数えず。

解釈

•「七返九還」=錬丹術の比喩で、何度も反復しながら本質に至る。•「鳳・龍」=霊的存在の象徴。•「笑傲風塵」=俗世に惑わされず、悟った者の余裕ある態度。

太極拳との関連解釈

•この詩は総仕上げ。太極拳における「内外一致」「無意識の動き」=完全な融合を象徴。•「年を数えず」とは、修養が年齢・時間から解放されること。•前進と後退の反復(七返九還)を経て、ようやく無為自然の境地へ。

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