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写意画・無根樹24章-第5章#474

写意画・無根樹24章-第5章#568– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

 無根樹の詩には、天地との調和、陰陽の循環、無限の可能性を秘めた「根源的な力」が表現されています。
 この絵は、中国の武当山に代々伝統的に伝わってきた、符図として観念を写意した写意画で、行気(ぎょうき=気の流れ)によって、観念化された意が画面に宿る技法にて描きます。
座る人物が符図を掲げ、気の流れとともに描かれた写意画。道(タオ)の世界を象徴する霊的な図像が、観る者の心に響き、天地との調和と精神的な静けさをもたらす。 道(タオ)の世界には、「符図(ふず)」と呼ばれる霊的・象徴的な図像があります。
 これは一種の呪符でありながらも、単なる宗教道具にとどまらず、写意的に描かれた霊的絵画で、観る者の精神面に直接働きかける精神感応的な美術としての力を持っています。
 そのため、古来より多くの人々が、不老長寿、健康、吉祥、家庭の調和などを願い、こうした道家的写意画や符図を自宅や書斎、寝室に飾ってきたのです。絵を見ることは、単に美を愛でるのではなく、生活に「道」の気配を招き入れ、心身を調律するための行いとされていました。
 このように写意画は、単なる絵画表現にとどまらず、人の精神・生活・宇宙との調和を媒介する芸術です。
 この写意画は、「目で見るもの」ではなく「心で感じるもの」です。
 それは道(タオ)と通じ、自然の気と共鳴し、観る者の内面を静かに動かす力を持ちます。
 符図や写意画は、古より今に至るまで、”人の魂に語りかける「霊なる絵」”として息づいているのです。
 下記にこの写意画の意となる「哲理詩」無根樹の原文と、現代日本語訳とその解釈を添えておきましたので、是非お読みください。
 ※無根樹の作者「張三丰(1247年〜?)」は、太極拳を確立した人物としても有名で、太極拳にもこの無根樹を適用しました。補足として、武当山に伝わってきた太極拳との関連解釈も記載しておきました。

無根樹・第5章

写意画・無根樹24章-第5章#568– 道(タオ)の哲理詩に基づく写意画アート作品

原文

無根樹,花正偏,離了陰陽道不全。金隔木,汞隔鉛,陽寡陰孤各一邊。世上陰陽男配女,生子生孫代代傳。順爲凡,逆爲仙,只在中間顚倒顚。

現代日本語

根のない木に、今は花がかたよって咲いている。陰陽の調和がなければ、道は完全にならない。金と木、水銀と鉛――分離すれば作用しない。陽だけ、陰だけでは、どちらも孤立している。この世では、陰と陽=男と女が合わさって命がつながっていく。順に生きれば凡人、逆に生きれば仙人――全ては「中庸」の中で、ひっくり返してこそ得られる真理。

解釈

•偏りは力を失う:一方に偏った状態は、自然の力を引き出せない。•調和こそが道:金属の比喩に見られるように、化学的・物理的融合も鍵。•「順」と「逆」:常識に従えば凡人、常識を超えてこそ道が開かれる。

太極拳との関連解釈

•片方に偏った型では意味がない:一方向だけの稽古や筋力強化は、太極拳の本質を歪める。•天地人の融合が太極:自然との一体感、身体と精神の融合、対人との調和が肝要。•常識を超えて観る:表面的な動きだけでなく、動きの「意味」を内側から掴む。

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